2024年05月02日(木)
小野啓一・G7シェルパにG7広島サミットでの活動を報告し、今後の連携に関する要望を伝えました
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提言
*本記事は、G7市民社会コアリションのウェブサイトにて2024年5月2日に公開されました。
2024年4月24日(水)、G7広島サミットで首相に代わって議題の調整を行う「シェルパ」と呼ばれる役職を務める外務省の小野啓一・外務審議官(経済)と「G7市民社会コアリション2023」関係者との面会が実現しました。小野外務審議官は、昨年のG7広島サミットの首脳宣言の文言調整を担当し、シェルパチームとして市民社会をはじめとする多様なエンゲージメントグループからの提言を受けていました。
冒頭、G7市民社会コアリション2023共同代表を務めた木内真理子(ワールド・ビジョン・ジャパン事務局長)より、2023年のサミットに向けた市民社会との連携や協力の機会に感謝をし、コアリションおよびC7としての活動報告を行いました。今後、政府と市民社会の連携をより強化するためにも、議長国期間を終えた後も、市民社会との対話を定期的に行い、成果文書に反映させてほしい、と要望しました。
続けて、G7市民社会コアリション2023幹事およびC7運営委員を務めた堀内葵(国際協力NGOセンター シニアアドボカシーオフィサー)より、今年のイタリアG7サミットに向けた市民社会の取り組みについて報告し、5月14・15日にローマで開催されるC7サミットに向けて日本の市民社会も複数名が参加を準備していることを伝えました。
C7国際保健ワーキンググループのコーディネイターを務めた稲場雅紀(アフリカ日本協議会)からは、国際保健分野で今年のC7として着目している公平な保健アクセス、国際保健アーキテクチャの強化、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、気候と保健などの分野について紹介し、C7平和・共通の安全保障・核兵器廃絶ワーキンググループに参加する高橋悠太(カクワカ広島/かたわら)からG7広島サミット後の核兵器廃絶に関する市民社会の動きとして、「核兵器をなくす日本キャンペーン」が発足したことを案内し、今年も核兵器廃絶を主要議題の1つとしてほしいと要望しました。
小野外務審議官からは、「市民社会の皆さんからの提言はいつもありがたく思っている。栄養サミットのように、市民社会の皆さんと一緒にアジェンダを作った実績もあるので、これからもぜひ意見を伺いたい。昨年のコミュニケ作成時には、各エンゲージメントグループからの提言は、キーワードとして念頭に置いて交渉に当たったつもりだ。今後、要望があれば時間の許す限り面会したい。シェルパチームとして動いているので、その時々でスケジュール調整をしたい。次回、日本がサミットの議長国を務めるのは2030年になる予定。SDGsの達成期限年でもあり、とても忙しい年になるだろう。日本として世界の議論をリードする役割があり、ぜひエンゲージメントグループの声を聞いていきたい」という趣旨の発言がありました。
NGO側はC7が発表したG7閣僚大臣会合に対する声明もシェルパに提出しました。これらの声明は以下のリンクからダウンロード可能です。
- C7 Statement to the G7 Foreign Ministers
- C7 Statement on Climate Crisis, Energy Transformation and Environmental Justice
- C7 Statement on Global Health
当日の参加者は以下の通りです。
外務省側:
- 外務審議官(経済) 小野啓一(G7シェルパ)
- 外務省国際協力局民間援助連携室長 松田俊夫
NGO側:
- G7市民社会コアリション2023 共同代表、ワールド・ビジョン・ジャパン 事務局長 木内真理子
- 国際協力NGOセンター(JANIC) 理事 若林秀樹
- 国際協力NGOセンター(JANIC) シニアアドボカシーオフィサー 堀内葵
- アフリカ日本協議会 稲場雅紀
- 核政策を知りたい広島若者有権者の会(カクワカ広島) 共同代表/かたわら 代表理事 高橋悠太
- SDGs市民社会ネットワーク 事務局長 新田英理子
*左から、若林秀樹、高橋悠太、稲場雅紀、、小野啓一外務審議官、木内真理子、堀内葵、新田英理子
G7サミットに関する過去のシェルパ、サブシェルパとの面会報告は以下の通りです。
2022年6月1日(水)【活動報告】鈴木浩・G7シェルパに市民社会からの要望を伝えました
2022年9月22日(木)【活動報告】小野啓一・新G7シェルパに市民社会からの要望を伝えました
2022年12月23日(金)【活動報告】中村和彦・G7サブシェルパに広島サミットに向けた要望書を手渡しました