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2024年09月05日(木)

【賛同】SDG16+に関する2024年ローマ市民社会宣言

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お知らせ

提言

堀内葵

JANICでは、世界中の市民社会組織とともに、「SDG16+に関する 2024年ローマ市民社会宣言:レトリックを越えて 平和で公正かつ包摂的な社会のためのSDG16+の確保(原題:2024 Rome Civil Society Declaration on SDG 16 – Beyond Rhetoric: Securing SDG 16+ for Peaceful, Just, and Inclusive Societies」に賛同しました。

この宣言は、2019年に初めて採択されたのち、2021年、2022年、2023年にそれぞれアップデートされていますTAPネットワーク平和構築と国家建設のための市民社会プラットフォーム(CSPPS)が共催した一連の協議の結果であり、世界中の市民社会の声を集めて作成されました。


SDG16+に関する2024年ローマ市民社会宣言 要旨

2024年5月6日、ニューヨーク国連本部にて発表

背景

2024年5月6日、ニューヨーク国連本部で開催されたSDG16会議において、SDG16+に関するローマ市民社会宣言の第5版が発表された。例年と同じ形式を踏襲したこの宣言は、SDG16+の課題に関する現在の状況や状況を把握し、SDG16+に関する行動を拡大するための一連の提言を提示している。

課題

SDG16+に関する2024年ローマ市民社会宣言は、世界の平和と持続可能な開発を脅かす重大な問題を浮き彫りにしている。特筆すべきは、世界的な紛争の憂慮すべき増加であり、民間人の死者数は1945年以来見られなかったような水準に達している。このような地政学的紛争の増加は、SDG16 および、より広範な 2030アジェンダの達成におけるこれまでの進歩を損なうものであり、政府のアカウンタビリティを緊急的に強化する必要性を強調している。宣言の中で、市民社会は、紛争が顕在化した際の国際社会の焦点の偏りについて懸念を表明し、地政学的な近接性ではなく、ニーズに基づいて注意と資源が配分されるよう求めている。

市民社会は、その活動の場が縮小し続ける中で、大きな緊張にさらされている。市民社会は、権利者と義務者の間の重要な橋渡しの役割を果たし、SDGsの進捗を測り、政府に責任を負わせる手助けをしている。しかし、制限的な法律、ハラスメント、そして限られた資金が、市民社会の能力を著しく妨げている。さらに、紛争と不安定性は経済発展を妨げ、貧困を悪化させ、世界的に社会のウェルビーイングを損なっている。したがって、2030アジェンダを達成するためには、すべてのSDGsに統合された包括的な紛争予防と平和構築の取り組みが不可欠である。

さらに、政治情勢に顕著な変化が起きている。権威主義の台頭と暴力の増加に伴う民主主義の後退は、世界の市民社会に深刻な影響を及ぼしている。さらに事態を複雑にしているのは、軍事技術の進歩とともに、小型武器や軽兵器の拡散が平和と安全に重大な脅威をもたらしていることである。

行動への呼びかけ

この宣言は呼びかけの役割を果たしている。この宣言は、SDGs16を他のSDGsを促進させるものとして認識すること、財政的な移転、データとモニタリングの強化、アカウンタビリティの促進を含む主要な措置を求めている。また、SDG16+と2030アジェンダにとって不可欠な市民社会の役割を認識する必要性を強調するとともに、市民社会スペースを拡大する必要性を述べている。さらに、2024 年の未来サミット、2025 年の開発資金国際会議と世界社会サミットにおいて、SDG 16+へのコミットメントを動員するよう呼びかけている。

これらの機会は、SDG16を取り巻く牽引力を生み出し、各国政府がSDG16+を前進させ、より平和で公正、包摂的な社会と応答的な制度を構築する上で大きな乗数効果をもたらしうる政策や決定を進めるための、極めて重要な機会を提示している。

SDG16+に関する2024年市民社会宣言は、加盟国やその他のステークホルダーに対し、美辞麗句や善意を超えて、具体的かつ真のコミットメントを大胆に受け入れ、実行するよう求めるものである。

執筆者プロフィール

堀内葵