2024年04月25日(木)
【登壇報告】Forus「持続可能な開発に向けた資金ワーキンググループ」会合
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2024年4月17日(水)、JANICも参加するグローバルなCSOネットワークである「Forus」の「持続可能な開発に向けた資金ワーキンググループ」会合が開催されました。Forusには世界5大陸から69の国別CSOプラットフォームおよび7つの地域別プラットフォームが参加し、持続可能な開発目標(SDGs)達成のための政策提言や、市民社会組織の能力強化研修などを行なっています。
本会合にはTHINK Lobby副所長の堀内葵が登壇し、G7サミットに対して提言活動を行うC7(Civil7)の概要および「公正な経済への移行」ワーキンググループによる政策提言について紹介しました。
今年のブラジルC20を主導するAbongのペドロ・ボッカ氏、2021年よりC7運営委員を務めるイギリスのネットワークNGO「Bond」のサンドラ・マルティンソン氏、アジア各国のネットワークNGOで構成される「Asia Development Allaince(ADA、アジア開発連盟)」のジョツナ・モハン氏も登壇し、国際財政構造の改革、債務救済への取り組み、政府開発援助(ODA)の傾向、民間セクターによる取り組み、気候変動に関する公的開発銀行(PDBs)の役割などが取り上げられました。
各登壇者は持続可能な開発に向けた資金と戦略的方向性、公正な経済への移行、ODAと気候資金の傾向、借款の条件、さまざまなフォーラムやプラットフォームにおける市民社会の参画について話題提供を行いました。より透明性が高く、包摂的で、政策提言の場における調整の必要について強調され、贈与型の資金やコミュニティに奉仕するプロジェクトの優先順位を上げること、および、官民資金の混合から脱却することの重要性が議論されました。グローバルなプラットフォームに市民社会が参画することの困難さ、特に、北側諸国の市民社会が議論の場を占有し、南側諸国が効果的に参加する余地が制限されていることが取り上げられました。市民社会参画を推進するための包摂的なプラットフォームを構築することの重要性と、戦略を形成するための能力強化の必要性についても強調されました。
本会合は、グローバルな議論における市民社会の役割と共同でのアドボカシー戦略の必要性について焦点が当てられ、そうした議論とアドボカシーに包摂的で多様な代表性が必要であることが特に強調されました。
堀内からは、2023年および2024年のC7「公正な経済への移行」ワーキンググループによる政策提言を紹介しつつ、日本の市民社会による継続した活動と、アジアのNGOとの連携に関する計画を説明しました。C7はG7に対して多様な視点を提供するための重要なエンゲージメントグループの一つであり、本ワーキンググループは国際財政構造、貿易と投資、デジタル経済、債務救済、譲許性資金、気候資金、ビジネスと人権などの分野を扱い、持続可能な開発を実現するための経済的な側面に焦点を当てていることを紹介しました。また、近年、OECDで議論が進んでいるODAの定義の変更について、コミットメントと実際の支出の不一致や、開発資金に関するより一層の透明性と説明責任の重要性を強調しました。
Forus「持続可能な開発に向けた資金ワーキンググループ」の活動については下記リンクをご参照ください。
https://www.forus-international.org/en/financing-for-sustainable-development