堂目卓生
大阪大学大学院経済学研究科教授
大阪大学総長補佐
社会ソリューションイニシアティブ長
略歴
京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。専門分野は 経済学史、経済思想。産業革命期イギリスの経済現象を当時の人びとがどう捉え、未来社会をどう描いたか、その中で経済学がどのように形成されたかを研究。Political Economy of Public Finance in Britain 1767-1873 (Routledge 2004)で日経・経済図書文化賞、『アダム・スミス-「道徳感情論」と「国富論」の世界』(中央公論新社、2008)でサントリー学芸賞を受賞。2019年、紫綬褒章を受章。2001年より大阪大学教授。2018年、大阪大学の人文学・社会科学の研究者を中心に、社会課題に向き合い2050年の社会を構想するシンクタンク「社会ソリューションイニシアティブ(SSI)」を立上げ、代表を務める。
THINK Lobbyへの期待
新型コロナ・ウィルス感染症によって、誰もが「助けを必要とする人」になりうることが分かりました。普通に生活している人を「助けを必要とする人」にする可能性は、震災や台風などの自然災害、水不足やエネルギーの枯渇、紛争や戦争など、どの社会課題も持っています。 このような時代の中で求めるべきは、「助けを必要とする人」を中心に置き、「助ける人」が向き合い、共感し、手を差し伸べる社会です。「助ける人」と「助けを必要とする人」が入れ替わりながら助け合う社会です。それは、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)が掲げる「誰一人取り残さない」とも一致します。 新たなシンクタンクには、こうした社会に至るヴィジョンを明確に描き、市民(助けを必要とする人)に寄り添い、為すべきことを具体化し、グローバルなネットワークを形成しつつ、人びとの意識と行動を変容させる提言を積み上げていくことを期待します。